- 救急の分野を学びたい。
- 救急看護を行える病院に転職したい。
- 救急に転職したいけど働けるか不安です。
緊急の患者さんを受け入れ施設や、24時間受け入れしている病院では、救急センター、救急外来がありますが、興味があってもどんな事をするのか気になりますよね。
そこで、今回は救急センターで行う看護師の仕事内容について解説します。
救急のことを勉強したい。わたしでも働けるかな。どんな仕事をするのかな?
緊急性が高い患者さんの一次救命処置を行う場所なので、看護師の経験と判断が求められる診療科です。
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そんな方向けに解説していきます。
病院によって、救急搬送のシステムは異なります。
患者さんの重症度・緊急度によって、1次救急、2次救急、3次救急に受け入れが可能な病院は決まっています。
救急隊員が、患者さんの状態を把握して、その重症度にあわせて救急車(もしくはドクターヘリ)で患者さんを適切な病院へ搬送します。
救急センターで行う看護師の仕事内容を理解する前に、まずは搬送システムがどういったものがあるのか理解しておきましょう。
病院ごとに受け入れ可能な救急搬送システムは異なる!
救急搬送システムってなに!?
救急車が患者さんを医療機関に搬送するためのシステムのことを、救急搬送システムともいいます。
一般住民の方から119番を利用して救急隊員に連絡があった場合、救急車は現場へ向かいます。そこで救急隊員が状況を判断して適切な病院へと搬送します。
救急搬送先は、1次、2次、3次救急にわかれています。
病院によって救急搬送システムは異なります!
・一次救急:ウォークインといって歩いて来院する事でできるような患者さんを受け入れる病院(軽症患者さん)
・ニ次救急:中等症度の救急患者を受け入れる病院(軽度~中等度の患者さん)
・三次救急:最も重症な患者を受け入れる病院(重症患者さん)
どのような流れで緊急搬送システムが稼働しているかについては、厚生労働省から出している資料がわかりやすいかと思いますので、詳しく知りたいという方は一度チェックしておくと良いかと思います。
救急搬送する施設によって、やるべき対応や応急処置が若干違います。
重症な患者が来院される三次救急・二次救急では、高度な看護師のスキルが求められます。
一次救急
比較的軽度の患者さんの外来診療などを行う病院のことをいいます。夜間救急や、当番制で担当になっている病院が一次救急になります。
応急処置を行うことができますが、基本的には入院の必要性がなく帰宅できる患者さんを受け入れる病院になります。
二次救急
入院や検査、治療が必要な重症な患者さんを受け入れができる病院のことをいいます。
基本的には24時間受け入れ体制を整えている病院になります。
三次救急
高度な治療が必要な、重篤な患者さんを受け入れする病院になります。
一次や二次医療機関で対応できない重篤な患者さんを、受け入れる場合もありますし、治療にて安定してきた場合、一次や二次医療機関に転院することもあります。
※日本救急医学会:全国の救命救急センター設置状況
あなたのお住まいの地域にも受け入れしている病院があるとイメージがつきやすいかと思うので、救命救急センターの設置状況のホームページをのせておきます。
ある程度理解したところで、実際の仕事内容をみていきましょう。
救急外来【ER】の特徴
ERでは、特に患者の容態が変化しやすい診療科であり初期治療がスムーズに行える事が何よりも大切です。
一刻を争う状況の患者さんもいますから、素早い対応と判断力が求められる診療科!と言えます。
その他、トリアージの知識、患者をみる観察力や急変への対応が求められる診療科であるため、看護師としての経験値がもとめられます。
心臓疾患、交通外傷、整形、内科疾患など幅広く対応しなければいけないので、新人の看護師や若手看護師がいきなり働く場所としては、ハードルが高くなります。
色んな主訴や病態の方が来院されるので、それを幅広くカバーできる能力が求められると言えます。
病棟みたいに診断名がついていない状態から観察をしなければいけません。
主訴(患者の訴えから)優先度を考えながら検査を進めて、ある程度の診断に結びつけていくという特徴があります。病棟とは違った視点で観察しなければいけないのです。
ERと病棟での観察する部分の違いについて。
病棟では、診断名があって、その部分の観察や看護を行っていきます。
に対して、ERでは、主訴からどういった疾患を疑うのかをアセスメントする。という病棟とは逆の発想で考える必要があります
次々と救急車がくる病院では、ERベッドの回転率なども重要になってくるため、初期治療がいったん落ち着いたら、帰宅退院か、入院が必要か主治医が判断します。
二次医療で治療が困難と判断した場合は、より高度な治療ができる三次救急の病院に転院する事もあります。
救命救急は多種多様の症状をもった方が来院される
頭が痛い、眩暈がする、お腹が痛い、動悸がする、吐血下血、足が痛い、食事が食べられない(食欲不振)。といった症状は人によって、自覚症状の程度は異なります。
症状が軽度の人もいますし、強い人もいます。
よって、軽度な体調不良の程度であればウォークイン(歩いて)一次救急を受診する患者さんもいますし、同じ症状でも、救急車を利用して搬送されてくる方もいます。
※状況によっては、ウォークインで歩いてこれるハズの患者さんもタクシー代を浮かすために、救急車を利用する方も増えているようです。本当に救急車が必要な人にとって、救急車をすぐに利用できない。といった問題も実際に起きているようです。
話がそれましたが、救急車できても、来院したら、症状がおさまって落ち着いた。という方もいますし、歩いて外来に来たけれど、ショックバイタルを起こしていた。という事も珍しくありません。そのため、待合室で急変をしたり等、予測が付きにくいといった状況も起こり得るわけです。
特に病棟みたいに決まった病名がついているわけではないので、病名から観察するというよりは、患者さんの主訴から病態をアセスメントして、スムーズに診断がつくように介助していく必要があります。
診断をするのは医師ですが、素早く診断できるように補助するのが、救急看護師に求められるスキルになります。
救急救急センター【ER】の看護師の仕事内容
救命救急センターでは、救急隊から病院に連絡がはいります。
救急隊からの連絡で『年齢、性別、主訴、症状、バイタル、後何分でつきます。』といった連絡がはいります。
来院する事がきまったら看護師は、検査がスムーズに行えるように物品を準備して(血ガス、採血、各種血培セット、点滴ルート確保、尿カテ)、バイタルサイン測定の準備ができるようにしておきます。
検査のオーダー依頼などがあれば、看護師も疾患を予測しながら、優先順位を決めて検査をしていく必要があります。(12誘導心電図、CT、XPなど)
吐血、下血で来院された場合は緊急内視鏡の検査をしながら、輸血をする事などもありますので、そういった多職種と連携することも看護師の仕事になります。
そして、重症かもしれない。と事前情報で感じたときには目の届きやすいブース(ERの中でも緊急性が高い患者を入室させる場所)に入れるなど配慮していく必要があります。問診やバイタルサインで緊急度を把握して入れるブースを分けていく必要があります。
同時に収容できる患者の人数がきまっている事が多いので、同時に来院した場合は、優先順位を決めながら検査を進めていく事になります。ブースにいる患者さんが急変したり、バイタルサインが不安定になったり、ERではめまぐるしく患者の容態が変化します。忙しい中でも医師に報告し指示を仰ぐなど対応がともめられます。
場合によっては、急変し蘇生を試みるも、報われない事も多々あります。そういった時は家族への対応も行う事も多々あります。家族は急な変化に戸惑いをかくせなく気持ちの整理がついていない事も多い事を理解していく必要があります
救命救急センターで来院された患者さんの、一次救命処置が終了し、やや状態が落ち着いたら適切な部署へ安全に搬送する。事も救命救急センター看護師の役割になります。
ICUや一般病棟と連携をとって、病棟に患者を搬送して、申し送りをするという事も救命救急センターに求められる看護師のスキルになるかと思います。
救急【ER】看護師に求められる必要な知識や技術
緊急度や重症度を判断するトリアージ能力が必要になる!
来院した患者の重症度を把握する能力(トリアージ)も必要になります。看護師がトリアージをして、緊急性が高いもの低いものを判断して、優先度をきめる力が必要になります。
看護師の経験と幅広い知識が必要になる!
一般の診療科で経験しているような(採血、ルート確保、12誘導心電図、モニター観察、バイタルサイン測定、尿カテの挿入、胸腔ドレン、CVカテ―テル介助、胃管挿入、気管内挿管の介助、人工呼吸器管理)といったごく基本的な知識も必要になります。
呼吸状態が悪化している患者さんも来ますので、血ガスの値によっては気管内挿管を行いレスピなどの人工呼吸器管理が必要となる場合もありますので、呼吸器を観察する能力も必要になります。
BLS,やACLSといった蘇生処置の技術は最低限もってほいた方がよい資格になります。
その他、JPTEC,などの外傷コースにも積極的に参加している方はおおくいます。
ER看護師として転職を希望する場合は、こういった方を対象にするという事を念頭において転職を検討されるのがよいかと思います。
救急【ER】働いてみて看護師が大変だと感じるところは?
救急患者を受け入れている所では、(病院によって救急受け入れ件数は大きく異なります。)ひっきりなしに救急車が来ますので、日中~夜中にかけては、かなり忙しいと言えます。
しかし、夜中から明け方までは比較的落ち着く事もあります。その時はゆっくり休む事もできます。また、明け方は他の療養施設でもラウンドにまわったときに『呼吸がおかしい』といって搬送されるケースもあるため、施設スタッフがラウンドする6時頃~時間帯も忙しくなることがあります。
病棟であれば、ある一定の忙しさで勤務する事になると思いますが、ERでは忙しい時はとにかく忙しいし、患者さんがこない時はこないのでゆったりしている。といった、忙しさにかけては流動的な診療科であると言えます。
忙しい時にいかに、バランスよく業務ができるか臨機応変な対応が求められる部分が大変な所といえるでしょう。
救急【ER】給料と残業について
病院や施設によって給与形態は異なります。
都市部では高くなりますし、地方では少し安くなる。と言われています。
もちろん、経験年数によっても給与は前後するかと思います。
救命救急センターの多くでは残業が多くならないように、勤務終了したら次の勤務者へと交代する。という流れの所が多いかと思いますので、病棟みたいなすごく遅い残業時間がついた。という事はなりにくいかと思います。そのため、残業がない分安くなってしまう傾向にあります。
ですが、病棟と救命救急センターが混合している病院では他の一般診療科と給料はかわかないかと思います。
救命救急センター【ER】辞めたいと感じる看護師の理由は?
ER救急の診療科で勤務する看護師は男女ともに体育会系が多いです。
そして、本当に救急が大好き。といった方が非常に多いので、好きでやってる。という方が多いです!
給料の事よりも救急のことを勉強したくて勤務している。という方は多いです。しかし、ここでは辞めた方の例を紹介します。
疲労困憊で辞めてしまう。
ERは、とにかく忙しく命と隣り合わせの診療科であると言えます。そのため、「助けたい。」と強い思いをもつ看護師も大勢います。
そして、蘇生処置などで助かって「ありがとう。」と患者から言ってもらえた時などのうれしさややりがいは他の診療科では味わえない診療科でもあると思っています。
ですが、忙しさの面でいうとERは他の診療科よりも圧倒的に「本当に忙しい!」というのが現状です。
ある程度経験も必要な診療科であるため、疲労をうったえる看護師さんも多数いて退職されるケースがあります。
給与が安い。
基本給は病院によって異なりますしERが特に安い。というのはありません。
基本的には時間になったら終了しますし、残業がほとんどないので逆にいうと早く帰りたい。という人は良い環境だと思います。
病棟のような入院・退院などの事務処理などの手続きはほとんど必要ないし、来院している患者さんがいても、時間になったら引き継ぎをして終了なのです。
よって、残業がほとんどない分、残業がある病棟に比べて安い。といっている看護師もいました。
救急看護師に向いている看護師とは??
患者さんのために、バリバリ働きたい。勉強して看護師としてのスキルをアップしたい。と思っている方にはオススメの診療科です。
とにかく忙しい診療科ですが、スキルアップできる病棟の診療科である事は間違いありません。
- 救急看護に興味がある。
- 救急の認定看護師の取得を検討している。
- 幅広い知識や技術をみにつけたい。
- 蘇生処置について詳しくなりたい。
- BLS、ACLS,JPTEC,ITLSなど専門知識を学びたい。
といった方にはやりがいのある診療科だと言えます。
救急【ER】に転職する前に看護師が考えておく事!
転職前に一度考えておくとよいです。
・救急看護を学ぶなら、救急・ER病棟はおすすめの診療科です。
・幅広い経験や知識が必要になる!
・一次、二次、三次のどの医療をやりたいかによっても転職先の病院はかわるので事前にチェックしておこう!
救急【ER】転職を考えているけど、実際に働けるかどうか不安だ!
ERに転職をしてみたいと考えているけど、実際に働けるかどうか不安だ。という方もいると思います。
一度にすべて覚えていく事は大変ですし、病棟よりも忙しくなる事はあるでしょう。
しかし、ERを経験しておく事で、急変対応に強くなる事は間違いありません。ちょっとした、急変でも動揺しなくなりますし、慌てず対応する事ができるようになります。何よりも自信をもって対応できるようになりますので、成長した看護師になる事は間違いありません。
もしERで働きたいと考えている場合は、自分の居住エリアにはどんな病院があって、一次・二次・三次のどの医療を提供している病院なのか、また自分はどんな救急看護を学びたいのか考えてみるとよいかと思います。
また、看護師の転職サイトのアドバイザーにも転職先を相談できるので、確認してみることをお勧めします。