- 血液内科の病棟に興味があって転職を検討しているけど、どんな病棟なのか知りたい
- どんな病院に血液内科病棟があるのか知りたい。
- 血液内科の看護師として働いていみたい。
血液内科病棟に興味がある方、あるいは血液内科病棟の看護師として働いてみたい方向けに、血液内科病棟の看護師の仕事内容について解説します。
いま、働いている病院には血液内科の病棟はないんですが、血液内科病棟の看護師として働いてみたいです。実際にはどんな事をしますか?
血液内科では、専門的な抗がん剤治療、骨髄移植、輸血などの治療が頻繁に行われる病棟です。
うっ、、、難しそう。。。。私にもできるだろうか。。。
血液内科では血液疾患を抱える方が来院されるので、看護師さんにとって馴染みのない治療法などが多く存在しています。
血液内科では、抗がん剤治療の経験者や、はじめて血液内科に携わる看護師さんが転職されているイメージです。
血液内科の病棟は、すべての総合病院や大きな病院にあるわけではありません。
血液内科病棟があるのは、大きな総合病院・大学病院・市立病院に併設されている事がありますが、必ずしも血液内科病棟があるわけではありません。その理由としては、血液内科は専門医が少ないという現状がありますし、無菌室のような感染対策が行える病院が少ないからです。
そのため、民間の小規模な病院では血液内科病棟はないため、『血液内科病棟』ってどんな場所なのか、なじみが少ない看護師さんも多いかと思います。
そこで、今回は血液内科病棟ってどんな病棟なのかを詳しく解説してきたいと思います。
当サイトは看護師の転職を検討されている方向けの内容です。転職サイトを利用した体験談をもとに、今よりももっと自分らしく働く方法を発信しています。
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そんな方向けに解説していきます。
血液内科ってあまり聞きなれない診療科かもしれませんが、血液に関する病気をみる診療科です
血液内科は、総合病院・大学病院・市立病院のような大きな病院にしかありません。
他の診療科に比べると、あまりなじみがすくない方が多いのではないでしょうか。
この記事では、血液内科病棟の特徴や看護師の仕事について、お伝えします。転職を検討するときの参考にしてもらえたらと思います。
血液内科病棟の特徴
血液の疾患は、悪性腫瘍や難病など治療が難しい病気を対象とする診療科であるため、高度医療や専門性の高い医療機関で行う診療科です。根治治療が難しく、原因が不明、もしくは治りにくい病気も多く含まれています。
貧血による息切れ、発熱(主に感染)、出血症状、リンパ節の腫大などを主訴として来院される事も多いです。
風邪症状と似ているので、なかなか早期発見しにくいですが、多くは血液検査で発見されるケースがあります。また、健康診断などの血液検査値異常の精密検査が受診の契機となることも少なくありません。
診断から、治療まで血液内科では数少ない医療機関でサポートされています。
治療内容は、血液の疾患によって異なります。主には抗がん剤治療や、免疫抑制などの治療を行うため、その補助業務が看護師の仕事になります。
血液内科に来院される疾患について
血液内科は、どこの病院でもみれる病態ではなく、市立病院、大学病院、大きな総合病院に設置されています。血液検査や骨髄検査、その他検査により専門医により診断されます。
主な疾患としては、血液の癌、リンパ系の腫瘍、貧血性の疾患、血小板系の疾患にわかれます。
一般の小さい病院には血液系疾患の患者さんはいないので、病態の理解がちょっとわかりにくかったりしますが、治療方法は似ているので、転職を考えている場合は、少しづつ勉強されたらいいと思います。
血液といってもいろんな疾患があるので、ここでは簡単にご紹介します。
血液疾患ってどんな疾患!?
・造血器腫瘍 (血液がん・骨髄細胞の腫瘍)
急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性腫瘍、慢性骨髄単球性白血病など
・造血器腫瘍 (リンパ球の腫瘍)
急性白血病、リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫、慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症、多発性骨髄腫
・貧血性疾患
再生不良性貧血、骨髄異形成症候群(MDS)、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血・ビタミンB12欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血
・血小板の異常
免疫性血小板減少症(ITP, 特発性血小板減少性紫斑病)
血液内科の看護師の仕事内容
基本的には他の診療科と行うことはあまりかわりありません。
・バイタルサイン
・体調の観察、日常生活の援助
・環境整備
・医師の診療の補助 など、基本的な業務は他の診療科とかわりません。
これに加えて、血液内科の診療科に特有の業務があるとすれば以下になります。
血液内科病棟の特有の業務
・骨髄移植を行う方は無菌室で治療されるため、清潔・不潔などの知識を理解する必要がある。
・抗がん剤治療は看護師の業務であるため抗がん剤の種類や基礎知識を身に着ける必要がある。
・抗癌剤の副作用に対する看護を理解する必要がある。
・血球(白血球、赤血球、血小板)が減少したときの看護を理解しておく必要がある。
・血液のデータが低下した時も輸血を頻繁に行っていきますので輸血の知識も必要になる。
・骨髄検査などの各種検査の介助も看護師の業務にあたります。
こういった内容が一般病棟に比べて、血液内科病棟の看護師に求められる業務になります。
でも、抗がん剤や輸血に関していえば、どこの病院でも行われている治療なので、なじみにくい。と言われるかといえば、そこまででもない。というのが私の考えです。
抗がん剤治療をした事がある経験者や、血液内科の診療科ははじめてです。という方が多く働ている印象があります。
血液内科の看護師に求められる必要な知識や技術
血液疾患を疑う場合、骨髄穿刺をして、血液を調べる検査を行います。これは、血液内科病棟では、日常茶飯事に行われますので、骨髄穿刺の看護は理解していく必要があります。(転職後に、各病院のマニュアルを参考にしましょう。)
血液疾患と診断されたら主治医は治療方針を本人や家族に説明しますが、診断された本人や家族のダメージは計り知れないものがあるかと思います。そのため、看護師は精神的なケアも行う必要があります。
治療方針の多くは、化学療法と骨髄移植と呼ばれる治療がメインとなります。
悪性腫瘍をたたく。といった目的で化学療法を行っていきますが、みんなもご存じの通り、腫瘍に作用するだけでなくて、正常な細胞に対しても抗癌剤は効いてしまうため、脱毛や食欲不振などの副作用も出現してしまいます。
使用する抗癌剤によっては、一般的に生じる副作用と抗癌剤特有の副作用が出現する可能性があります。どんな抗癌剤が一般的には脱毛が多くみられて、どんな抗癌剤の時には皮疹がでやすいよ。。といったものです。ですが、ここに関しては、転職後に、しっかりマニュアルをみておけば問題ありません。
女性の方であれば、いつ頃から脱毛がはじまるから、ウィッグ(カツラ)を作成できる会社を紹介したり、帽子をかぶる事を提案したりします。その他、まばらに脱毛が生じてしまう可能性があるため、坊主にしてすっきりした頭にする事も提案することもあります。女性にとって、髪は命の次に大事とも言われることも多く、慎重に説明を行う事も血液内科で求められる看護師の技術だと個人的には思います。
脱毛に関して例を上げましたが、その他多くの副作用が生じます。一つ一つ確実に勉強して、丁寧に説明していく事が看護師として求められる能力であると言えます。
血液内科で働いてみて看護師が大変だと感じるところは??
病態や看護について覚えるまで時間がかかる!
一般的にはなじみが少ない病態のため、病態の理解や、血液疾患の看護などがはじめは『わからない。』『覚えにくい。』イ『メージがつきにくい。』という方が多いようです。
そして、いざ血液内科病棟ではたらくことを前提に勉強しようと書店にいきますが、参考書なども他の診療科領域に比べて参考書が少なかったりします。書籍があることにはありますが、圧倒的に他の診療科に比べると書籍の数も少ないのが残念なところです。
化学療法の看護を経験している看護師であれば、スムーズに病棟での業務が行えるのではないかなと思っています。
入職後はしっかりと勉強しなければいけない!
どこの診療科でも同じですが、入職後はしっかりと学習する必要があります。
(入職前はあまり勉強しなくてもよくて、入職後に、どんな治療やケアがあるのか把握してから参考書を購入するなり学習するほうが効率的です。)
とくに、血液疾患で入院している方は、僕達が考える以上に自分の疾患のことをよく調べて勉強しています。
そのため、本人が知識もそれなりにあることを理解したうえで、さらに勉強を行う必要があります。
下手な説明を行ってしまうと、逆に信頼感を損ねてしまう可能性もあるため、転職後にしっかりと勉強しておけば問題ない分野だと感じています。
転職を希望されて入職される人はほとんどが、『知識がなかった。未経験者だった。』という方が非常に多い診療科だと思います。働いてから一生懸命勉強をするといったスタンスでも問題ないと思います。
血液内科の看護師の給料と残業について
血液内科の病棟看護師の給料は他の診療科と比べて、『あまり変わらない。』あるいは『平均よりやや高い。』というのが現状です。
大きな総合病院や大学病院にしか、血液内科はありませんので、その病院単位に給与になると思いますが、基本的には給料は大きな差はないと考えられます。
血液内科の病棟を辞めたいと感じる看護師特徴について
長期的に不安を抱えて治療や副作用に耐える患者を目にする事が辛くなってしまった。
脳神経外科や整形外科の病棟だと、看護師が目でみて「あっ、改善している。」と直接感じとることができる病態が多いかと思います。
しかし、血液内科の場合はそうではありません。
抗がん剤治療をしても、目でみて治療効果が直接見えにくい部分もありますし、改善の見込みがない場合も正直あります。そして、それが長期的になる事もあります。つらいと感じている患者さんを見ている看護師も、辛くなってくると辞めたい。と感じている看護師も多いようです。
あまり感情移入しない看護師であれば問題ないかと。
入退院を繰り返す患者さんに対して慣れを感じてしまって嫌になる!
血液内科病棟では、抗がん剤治療のために繰り返し入院や退院されるケースがほとんどです。
そのため、同じ患者さんとかかわるケースが多くあり、他の診療科に比べると、長期間おなじ患者さんと関わるケースが多いかお思います。
そういった一人ひとりとかかわる看護をしたい方にとっては、非常におすすめできる診療科ですが、それが逆に苦痛と感じてしまう看護師もいるようです。
一人一人じっくり関わりたい人にはオススメです。
血液内科での、やりがいや向いている看護師とは??
以下、やりたい事がある。と思っている看護師にはオススメできる診療科だと思います。
- 血液疾患を抱える患者さんの看護について理解を深めたい。
- 化学療法の看護を学びたい。副作用に対する看護を行いたい。
- 輸血について詳しくなりたい。
- 感染対策について詳しく理解したい。
- 高度医療に挑戦したい。
- じっくり患者さんと関わる看護をしたい。
- 一人一人としっかり関われる看護をしたい。
- 心のケアを行っていきたい。
まさに、これらの看護を行っていきたいと思っている看護師は挑戦すべきだと思います。
・スタートはみんな未経験から初めていますので、勉強したい。やってみたい。という気持ちがあれば転職活動は可能です。
・抗がん剤治療の経験があると転職では有利になります。
・残業時間はそこまで多くはないため、家庭と仕事を両立したい方にもおすすめできます。
まとめ
血液内科は、規模の大きな病院で診療科として併設されている場合が多いです。そのため、血液内科病棟で勤務したいと考えている方は、比較的求人が少ないと思わますので、転職サイトのアドバイザーに募集があるか相談して確認をしてみましょう。